ハイブリッド車のバッテリー寿命は何年? 交換の目安となる劣化症状もピックアップ
ハイブリッド車のバッテリー寿命は、バッテリーの種類や走行状況、車種によって異なるため一概にいえません。ですが、駆動用バッテリーは約5~8年、補機バッテリーは約3~5年が平均寿命です。
本記事では、ハイブリッド車のバッテリーの概要や、寿命について解説します。
【基礎知識】ハイブリッド車に搭載されているバッテリーは2つ
まず覚えておきたいのが、ハイブリッド車には2種類のバッテリーが搭載されていることです。そもそもハイブリッド車は、電気とガソリンにより発生する2つの動力によって動いています。電気を蓄えておくのが駆動用バッテリーで、ガソリン車にも搭載されているのが補機バッテリーです。それぞれの特徴を解説していきます。
駆動用バッテリー
駆動用バッテリーとは、動力の一つである電気を蓄える「メインバッテリー」です。ハイブリッド車にしか搭載されておらず、ハイブリッドバッテリーとも呼ばれています。
ハイブリッド車に搭載されている電気モーターは、高い電圧と電力を要し、不足していると十分に動きません。そこで必要となるのが、内部に大量の高電圧が流れる駆動用バッテリーです。
なお、駆動用バッテリーは大容量の電気を蓄えるぶん重く、車体にかかる負担が大きくなりがちです。そのため、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池など、大容量の電力を蓄えながらも軽量な電池が採用されています。
また、駆動用バッテリーは重いため、車重バランスに配慮した搭載位置になっています。トランクルームや後部座席の下など、車体の下の方であることが多いです。
補機バッテリー
補機バッテリーは、従来のガソリン車にも搭載され、駆動用バッテリーのサブとして扱われるバッテリーです。ガソリン車と同じく、ワイパーやライト、カーナビ、オーディオなどの電装品は、この補機バッテリーから電気の供給を受けて動いています。
また、ハイブリッド車には、ガソリン・電気の2つの動力を使い分けるためのハイブリッドシステムが備わっています。そのハイブリッドシステムに電気を送るのが、補機バッテリーです。
補機バッテリーの仕様は、ガソリン車に搭載されているバッテリーとほぼ同じです。ですが、ボンネットを開けたらすぐに確認できるガソリン車に対し、ハイブリッド車の補機バッテリーは入り組んでいる場所に搭載されているため、通常よりやや複雑な作りになっています。
なお、補機バッテリーの搭載位置は、車室内後方やトランクルームなど、バッテリーの種類によってさまざまです。
ハイブリッド車のバッテリーの寿命
ハイブリッド車のバッテリーの寿命は、駆動用・補機バッテリーの種類により異なるため、一概には言えません。しかし、ハイブリッド車もエンジン車と同様に、バッテリー交換は必要です。また、駆動バッテリーの寿命=ハイブリッド車の寿命とも言われています。
駆動用・補機バッテリーの、おおよその寿命をそれぞれ確認してみましょう。
駆動用バッテリーの寿命
メインバッテリーとなる駆動用バッテリーの寿命は、約5~8年、走行距離にすると約10万kmと言われています。
駆動用バッテリーの寿命は種類の違いだけでなく、走行状態の影響を大きく受けます。ハイブリッド車を動かす頻度が高いほど劣化が進み、寿命は早まると考えられます。ただし、ハイブリッド車の駆動用バッテリーは、交換費用や交換にかかる手間も通常のバッテリーよりもかかるため、上記のような長寿命なものが搭載されています。
補機バッテリーの寿命
サブとなる補機バッテリーの寿命は、約3〜5年です。
ガソリン車と同じバッテリーですが、ハイブリッド車では駆動用バッテリーがメインで使われるため、ガソリン車よりも寿命が1~2年ほど長いと言われています。
ハイブリッド車のバッテリーの交換時期
ハイブリッド車のバッテリーの交換時期は、寿命の時期を目安と考えましょう。つまり、駆動用バッテリーは約5~8年、補機バッテリーは約3~5年です。
ただし、バッテリーの種類や走行状態の違いによって、交換時期は多少前後します。目安より早く交換した方が良い場合もあるため、注意しましょう。具体的には、以下のような状態になってきたら、バッテリーの交換を検討するのがおすすめです。
● 燃費が悪くなる
● バッテリーが上がりやすくなる
● 長い上り坂でのエンジン音の異常
● アイドリングストップ中にエンジンが再始動してしまう
ハイブリッド車のバッテリー交換時期を見極めるときに、大きな目安となるのが燃費の悪さです。ハイブリッド車は燃費の良さが特徴ですが、バッテリーが劣化すると、いつもと同じ走らせ方をしていても燃料消費量が増えてしまいます。また補機バッテリーの劣化が進むと、バッテリーが上がりやすくなります。放置し続けると、エンジンがかからなくなることがあるため、要注意です。
ハイブリッド車のバッテリーを長持ちさせる方法
ハイブリッド車のバッテリーは、走らせるほどに劣化します。バッテリーの持ちをよくするためにも、走行や保管のときに工夫するのがおすすめです。
ここでは、ハイブリッド車のバッテリーを長持ちさせる方法を3つ紹介します。
1. 週に1時間以上走らせ、充電する
ハイブリッド車のバッテリー劣化を抑えたいなら、まず1〜2週間に1時間以上は走らせてください。
なお、走行後は車を降りる前にメーター内のインジケーターなどで充電状態をチェックしましょう。過剰に充電されているときや、逆に充電が全くないときに車を放置するのは望ましくありません。バッテリーの負担を軽減し、次回の走行時に充電しやすくするためにも、バッテリーの充電は程よく残った状態で駐車しておきましょう。
2. ハイブリッド車を高温下で保管しない
ハイブリッド車は、高温にならない環境下で保管するのがポイントです。夏場の閉め切ったガレージや直射日光が当たる場所での保管は、バッテリーに熱がこもり、劣化を早めてしまいます。
ハイブリッド車の保管場所は、熱がこもりにくく風通しの良い場所が望ましいです。また、屋根や木などで直射日光が遮られる場所もおすすめです。
3. 定期的に点検に出す
定期的な点検を受けることも、ハイブリッド車の不必要なバッテリー劣化を防ぐ方法の一つです。特に、素人では確認困難な車室内にあることが多い補機バッテリーは、プロによる点検が欠かせません。
ハイブリッド車の車種によっては、バッテリーは自分で点検できるケースがあります。しかし、補機バッテリーの寿命が約3~5年であることを考慮するのであれば、車検のタイミングで、業者による点検をしっかり受けておくのがおすすめです。
ハイブリッド車は自力でバッテリー交換できる?
ハイブリッド車の補機バッテリーは、工具がそろっていれば自分でも交換可能です。ただし、ハイブリッド車に搭載されている駆動用バッテリーは高電圧のため、素人が行うと感電するリスクがあります。
またハイブリッド車に搭載されている駆動用バッテリーなどの点検・整備を行う者は、特別な教育を受けるよう、労働安全衛生法の規定によって義務付けられています。駆動用バッテリーはもちろん、補機バッテリーも、交換したいときはプロに任せた方が無難でしょう。
ハイブリッド車のバッテリー点検は定期的に行おう
2つのバッテリーを動力に持つハイブリッド車は、駆動用・補機バッテリーそれぞれの寿命に合わせた定期点検が必須です。劣化に気付かず放置すると、突然エンジンが止まってしまうことも考えられます。
車検のタイミングでハイブリッド車のバッテリーを点検したいなら、車検専門店である「車検の速太郎」におまかせください。安心・迅速をモットー に、国家資格を持つ整備士が2名体制でスピーディーに点検を進めます。全国展開しているため、お近くの店舗へぜひお越しください。