知っておきたい!車検の際に修理・整備が必要になる場所とは?
車は購入した後、定期的な検査をすることが義務付けられています。車を持つ人にとっては避けられない「車検」です。
車検は車を購入した店舗で行うといった人も少なくありませんが、最近では車検を専門に扱っている業者も増えています。他にもカー用品店やガソリンスタンドなど、さまざまな場所で車検を受けることができます。
業者に車検を依頼すると、車検に合格するために修理が必要な場所が発覚して、自動車を預ける期間が長くなったりすることもあるでしょう。
自動車を車検に出す際に、事前に確認しておくと車検費用が抑えられる場合などがあります。以下の記事でそのポイントをチェックしていきましょう。
車検業者を選ぶ際に気を付けること
1つの業者で決めない
車検に出す場合は1社で決めてしまうのではなく、複数の業者で比べると良いでしょう。業者によって費用が違うだけでなく、アフターサービスや特典が付くなど内容が違う場合もあります。
費用については車検見積もりを無料で行ってくれるといった業者が多いため、あらかじめ複数の業者で見積もりを取っておくと車検の相場も知ることができます。
必要書類
基本は自動車検査証(いわゆる車検証)、自動車損害賠償保険証明書、自動車税納税証明書※1がそろっていれば車検を受けることができます。
上記の書類を車に置いていると思っていたら、店舗について無いことに気がついて家に取りに帰るといった状況にならないよう、事前に車の中を確認しておきましょう。
※1 令和5年1月より、軽自動車も含めた自動車税の納税確認が運輸支局等で電子的に出来るようになったため、車検時の自動車税納税証明書の提示が原則不要となりました。
ただし、次のような場合などには電子的な確認ができず、紙の納税証明書が必要になる事がありますので、納付後の納税証明書は保管いただき、車検時にはお持ちいただく事をお勧めします。
・以前の自動車税や延滞金が未納となっている場合
・自動車税を納付してから2~3週間(市町村窓口で納付した場合は最大2ヶ月)以内に車検を受ける場合
上記のような場合で紙の納税証明書が無い際は、事前に普通車は都道府県税事務所、軽自動車は各市町村役場に納税証明書の再交付が出来ないか、お問い合わせください。
また、中古車を購入または名義やナンバーを変更してから翌年度の納期限までの間に車検を受ける際も紙の納税証明書が必要になる場合があります。
また、最近引っ越しを行った人で、引っ越しにともない自家用車も新住所に移動する場合は、道路運送車両法第十二条により車検証の住所変更手続きを行うことが定められています。(※)
住所を変更するためには車庫証明書と住民票が別途必要となります。住所や名義など変更する箇所がある場合は、変更に必要な書類も事前に確認して準備しておくと当日慌てずにすみます。また、それらの変更手続きは車検証の更新とは別になるため、依頼した場合の代行費用なども合わせて、業者に事前に確認しておいた方がいいでしょう。
予約日時
車検に出す時はあらかじめ予約をしてから行きましょう。
最近は電話だけでなくインターネットのホームページや車検ポータルサイトから予約ができる業者も増えており、インターネットからの予約で割引などのサービスを実施している業者もあります。インターネットであれば業者の営業時間に関わらず24時間予約ができます。
「車検の速太郎」も、インターネットから簡単に予約が可能ですし、インターネット予約での優待特典もあります!
予約の際に日にちだけでなく来店時間も決められた場合は遅れないようにしましょう。
予約した時間に遅れてしまうと先に来られたお客様が優先され待たされることになったり、時間の変更が必要になったりするだけでなく、当日車検を受けることが出来なくなる場合もあります。そうなってしまうと車検満了日に間に合わず、車検が切れてしまうなんてこともあるかもしれません。
渋滞に巻き込まれる可能性や、初めて行く店舗であれば道に迷うことを考慮して余裕をもって向かうようにしましょう。
車検に出す前に確認するべきポイント
自動車を車検に出す際は、以下の事を確認しておくとスムーズでしょう。
見積もり
車検に出す業者によって車検費用は異なります。そのため、いくらかかるかに関しては事前に見積もりを取り複数店舗で比較検討したうえで、一番安い業者に車検を出すことで費用を抑えることができます。
ただ、正確な見積もりを出すためにはブレーキの分解など手間と時間もかかるため、全ての業者が無料見積もりに応じてくれるとは限りません。車検費用を抑えるために何社も見積もり費用をかけていたのでは意味が有りませんから、無料でできる範囲内で見積もりを依頼すると良いでしょう。
また、見積もりの際にどういった部分を直す必要があるのか、どれくらいの日数が必要になるのかも確認しておくと良いでしょう。
代車について
車検見積もりの際に、車検に合格するために修理が必要な部分が判明することもあります。
修理は部品の取り寄せが必要なことも多く、必ずしも1日で終わるとは限りません。場合によっては数日かかることもあり、日常で車を使われる方であれば代車が必要になる場合があります。
車検繁忙期と言われる2月~3月など時期によっては業者も立て込んでおり、代車が出払っているといった可能性もあるため代車の有無に関しても見積もり時に確認しておく必要があります。
また、事故によるバンパーなど車体の損傷修理が車検に合格させるために必要となる場合もあります。こういった車体のキズ・ヘコミ修理も日数がかかる場合がほとんどになり代車が必要になりやすいケースです。事故修理の場合は契約している自動車保険の内容によっては、修理期間中の代車が保険で出る場合もありますので保険会社に確認をしてみるといいでしょう。
車の整備・部品交換が必要な箇所
車の部品には一部消耗品があり、それぞれ整備・交換する目安があります。目安を押さえておくと前回と比べて車検の費用が高くなるのか低くなるのかなどを予想することができます。また、可能な部分だけでも自分でメンテナンスをすることで、車検費用を抑えることもできます。
エンジンオイル
エンジンに使われているエンジンオイルには潤滑・冷却・洗浄・防錆・密封など、エンジン本来の性能を発揮し維持するための様々な役割があります。
古いまま使い続けていると、オイルの劣化によってこれらの作用が低下し、エンジン各部を痛め、異音・エンジン不調・焼き付き・オーバーヒートなどの重大なトラブルに繋がる可能性があります。
自動車メーカーでは走行距離10000~15000kmまたは1年ごとの交換と指定されている場合が多いのですが、渋滞や短距離走行などの多い日本の交通事情を考えると目安は走行距離5000Kmごとの交換で、走行距離が満たない場合でも、半年に1回は交換した方が良いとされています。(エンジンにターボチャージャーが付いた車の場合は2500kmまたは3か月に1回が推奨されています)
また、オイルの劣化はエンジンの潤滑(=滑り)が悪くなるためエンジン回転に抵抗が出て、始動時のバッテリーやタイミングベルトへの負荷が大きくなる事でこれらの部品の交換時期が早まったり、燃費も低下してしまうため車の維持費にも影響があります。このようにエンジンオイルは他の部分への影響も大きいので、意識して時期を守り定期的に交換・点検を行いたい部分です。
オイルフィルター(オイルエレメント)
エンジンオイルの中の汚れを取り除くオイルフィルターの交換は、エンジンオイルを2回交換するごとに1回の交換が目安です。
交換せずに使用続けると、フィルターが目詰まりしてろ過されない汚れたオイルが各部へ送られ、エンジン内部の汚れがさらにひどくなり、エンジンの寿命を縮めてしまうことになります。
ラジエター液
エンジンは内部でガソリン・軽油などの燃料を爆発・燃焼させて回転しているため、車を動かしている最中、熱くなります。その熱を冷却するための液体がラジエター液です。ラジエターとは車のフロント部分(フロントバンパーの裏側)に付けられている冷却装置のことを言います。ラジエター液はクーラント液や冷却水、LLCとも呼ばれます。
ラジエター液には冷却だけでなく、凍結防止や防錆・防食などの役割もありますが、未交換で古くなるとこれらの性能が低下します。性能が低下するとラジエーターや冷却水通路のつまり・錆による腐食での水漏れからのオーバーヒート、冬季の凍結によるエンジン部品破損の原因となってしまうため、注意が必要です。ラジエター液の交換時期は液の種類によって異なります。
●LLC(一般的なラジエター液):2年に1回
●スーパーLLC(最近の車に新車時から入れられているラジエター液):新車で160000kmまたは7年、2回目以降は80000kmまたは4年
ブレーキオイル
ブレーキペダルを踏む力を、各車輪に付いているブレーキに伝えるブレーキオイルも消耗品です。交換を怠るとブレーキ部品の錆び付きやブレーキオイル漏れにつながり、ブレーキが利きにくくなり、事故にもつながります。
基本は2年に一度ですが、新車は初回3年と車検の時に交換が必要となるオイルです。
バッテリー
車のバッテリーも消耗品で、寿命が近づくとエンジンがかかりにくくなり、最終的にはバッテリー上がりを起こしエンジンがかからなくなってしまいます。
寿命は2年から3年と言われていますが、使用状況でも寿命が変わります。バッテリーが上がる可能性を危惧し車検の度に交換するといった人もいます。
バッテリーの交換は、電気配線を外して行うため、配線ショートの危険性があります。また、最近のバッテリーはナビゲーションや時計などの電装品の情報が消えないようにするための注意やエンジン制御システムなどのリセット作業が必要になる場合もあるため、車検の際にプロに交換してもらった方が安心です。
タイヤ
タイヤは車が走行する上で特に重要な部分ですので、1ヶ月に1回は忘れずに空気圧の点検を行いましょう。空気圧が減った状態で走行すると乗り心地が悪くなるだけでなく燃費も悪くなります。また、高速道路などを高速走行時には走行中のバースト(破裂)の危険が伴います。タイヤ空気圧は常に適正な状態にしておきましょう。
また、タイヤ点検の際には空気圧だけでなく、ゴムの摩耗やひび割れもチェックしましょう。タイヤ側面にある「▲マーク」の延長上の溝を確認する事で摩耗具合が分かります。タイヤの溝が減っているとこの部分にスリップサイン(スリップマーク)が現れます。このスリップマークが確認できたら、タイヤの交換時期です。すり減ったタイヤは雨天時にスリップ事故を起こす危険性があり、タイヤの溝が1.6mm以下のタイヤは使用できないと法律でも規定されているので、しっかりチェックしましょう。ひび割れはタイヤ側面を目視で確認しますが、ひび割れはゴムの性能低下を表します。タイヤゴムの寿命は製造から約5年と言われています。古いタイヤはゴムの柔軟性が悪くなるため、空気圧同様乗り心地が悪くなります。また、路面への食いつきが悪くなるためカーブで滑りやすくもなります。
安心して愛車に乗ろう!
このように部品によって交換時期は異なります。
車の修理は事故や走行不能に繋がらなければやらなくていいと考える人もいるかもしれませんが、車検の際は保安基準に適合しない部分は修理を行わなければ車検に合格しません。自動車の車検は人間の健康診断と同じく定期的に行う必要があり、車検が切れた車は公道を走行できないので、車検のタイミングでどうしても修理が必要となり、車検トータル費用が高額になってしまう事が多いのです。
日頃からきちんとした点検や整備を行っていれば、何10万とかかっていた車検費用が安くなるだけではなく、車の寿命も大きく延ばすことが出来ます。結果として出費や手間を減らすことにも繋がっていきます。
各整備箇所の部品は、カー用品店やホームセンターなどでも揃えられますが、近くにディーラーや整備工場がある場合はそちらに相談してアドバイスをもらうことも良いでしょう。
各部品の整備費用も安いものでもないため、事前に情報を得ておくと急に慌てるリスクが低くなります。なによりも、きちんと点検・整備を行うことで安心して愛車に乗ることができるようになるでしょう。