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オーバーフェンダーを車検に通すには? 構造変更や注意点を解説

2025.01.28

近年、カスタムカー業界で注目を集めているオーバーフェンダーですが、その取り付けにはさまざまな規制や基準が存在します。特に車検との関係では、保安基準への適合や構造変更の手続きなど、考慮すべき要素が多くあります。オーバーフェンダーを取り付けて車検を受ける際、具体的にどのような基準や手続きが必要になるのでしょうか。

本記事では、オーバーフェンダーに関する車検の基準や保安基準、構造変更時の申請方法、取り付け時の実践的なポイントを分かりやすく解説します。オーバーフェンダーの取り付けによって車検が通らないというトラブルを避けるためにも、本記事で紹介する内容をしっかりと確認し、法規制に準拠したカスタムをしましょう。

オーバーフェンダーとは?

F1などのレーシングカーを除き、公道を走る自動車のタイヤは車体からはみ出してはいけないと法律でされており、タイヤの周りをカバーしているパネル(=ボディ)のことをフェンダーと呼びます。
オーバーフェンダーとは、車のフェンダーパネルの上に取り付ける後付けのフェンダーのことです。既存のフェンダーパネルの上に取り付けることで、車の全幅(横幅)が広がります。

まずはどのような役割を果たすのか、またブリスターフェンダーとの違いを確認しましょう。

オーバーフェンダーの役割

オーバーフェンダーの役割は、車体を守ることと安全基準を満たすこと、加えて見た目を良くすることの3つです。

まず車体を守る面では、走行中の泥跳ねや飛び石から車体を保護して、傷や汚れを防いでくれます。そのため、オフロード車やSUVでは最初からオーバーフェンダーが付いていることもあります。最近は傷に強く、交換費用も安い樹脂製の物が多く使われていることも多いです。

また安全基準を満たす点では、標準より太いタイヤや大きなホイールを付けたいときに必要になります。これは車の安全基準で、タイヤやホイールが車体から出ていてはいけないというルールがあるためです(※)。オーバーフェンダーを付けることで、車体の幅を広げて合法的に太いタイヤを使えます。

加えて標準より太いタイヤや大きなホイールに変更すると、車体の大きさに対してアンバランスになりがちです。オーバーフェンダーを取り付けることで、見た目を良くできます。

ブリスターフェンダーとの違い

オーバーフェンダーとブリスターフェンダーの主な違いは、車体と一体化しているのかにあります。オーバーフェンダーは既存のフェンダーの上から後付けで取り付ける部品で、基本的に三日月形をしています。これは取り付けやすさを考慮した形状です。

一方、ブリスターフェンダーは車体のデザインとして最初から組み込まれており、外側に張り出した形状が特徴です。英語のブリスターには「気泡」という意味があり、その膨らみのような形状からこの名称が付いています。

ただし、ブリスターフェンダーには明確な定義がなく、標準車体と比較したときに使われる呼び名です。このように、両者は見た目は似ていますが、取り付け方法や設計思想が大きく異なり、それぞれの特徴を生かした車体デザインに活用されています。

オーバーフェンダーを車検に通すための保安基準

純正よりも太いタイヤを取り付ける場合にオーバーフェンダーは必要ですが、保安基準を満たしていなければ車検に通りません。自分でカスタムする前に、保安基準を確認しておきましょう。

装着時の全幅が一定範囲内であるか

オーバーフェンダーを取り付ける際は、装着時の全幅が一定範囲内であるかを確認してください。

国土交通省が定める保安基準では、自動車検査証に記載されている車幅の+20mm未満に収める必要があります。取り付け後の車幅が+20mm未満であれば、構造変更の申請を行わなくても問題ありません(※)。

車幅に関する保安基準は、普通自動車・小型自動車・軽自動車の全てで共通しています。

またオーバーフェンダーはしっかり取り付けられている必要があるため、ビスやリベットを用いて取り付けましょう。

定められた種別ごとの全幅を超えていないか

オーバーフェンダーを取り付けた状態の車幅が、定められた自動車種別ごとの全幅を超えていないのかも確認しなければなりません。自動車種別ごとに定められた車幅は以下の通りです(※)。

● 普通自動車:2.5m以下
● 小型自動車:1.7m以下
● 軽自動車:1.48m以下

普通自動車の車幅は2.5m以下でなければならず、取り付けた状態で基準を超えると車検を通せません。自分でオーバーフェンダーを取り付ける際は、取り付け前後の変化と全幅を確認してください。

保安基準を満たさなければ構造変更申請が必要

オーバーフェンダーを取り付ける際に保安基準を満たせなければ、構造変更の申請が必要になります。

構造変更はカスタムによって車の外寸や重量、形状などが変更した場合に必要な手続きです。構造変更の手続きは管轄の陸運支局に車を持ち込むことで行えます。

構造変更の申請に必要な書類は以下の通りです(※)。

● 自動車検査証
● 自動車損害賠償責任保険(共済)証明書
● 申請書
● 自動車検査票
● 点検整備記録簿
● 自動車重量税納付書

自分で申請手続きを行うのが難しい場合は、カスタムショップで代行してもらうのがおすすめです。

構造変更を行う際の注意点

オーバーフェンダーの取り付けによって構造変更を申請する場合、自動車検査証の残り期間が無効になるため注意してください。

例えば、車検期間があと1年残っていても、構造変更によってその有効期限は消えてしまいます。そのため、できるだけ車検切れに近いタイミングで申請するのがおすすめです。

また構造変更によって車の種類が変更されてしまうケースでは、支払う税金が高くなる可能性があります。軽自動車から小型自動車への変更を伴うなら、小型自動車の自動車税や重量税を支払わなければなりません。

車の維持費が高くなる可能性があることも考慮して、オーバーフェンダーを取り付けるのかを決めましょう。

車検の際に注意したいポイント

オーバーフェンダーで車検に通す場合はすでに説明した通り、自動車検査証に記載された全幅の+20mm未満かつ道路運送車両法で定められた全幅の基準を満たす必要があります。

また他のパーツも保安基準を満たしていなければなりません。車検に落ちやすい項目を紹介します。

● ヘッドライト、ストップランプなどの灯火類
● タイヤの消耗
● 足回りのブーツ類の破れ
● エンジンやミッションからのオイル漏れ
● ブレーキの消耗、効き具合

一つでも項目を満たせないと車検には通らないので、他のパーツもしっかりチェックしましょう。

オーバーフェンダーの保安基準を守って車検に通そう

オーバーフェンダーを取り付けた車でも、保安基準を守っていれば車検に通ります。保安基準を満たしていない場合は、管轄の陸運支局での構造変更の申請が必要です。

また、構造変更によって車の種別が変わる場合があります。伴って税金も変更となるため、これまでよりも維持費が高くなることも考慮しておいてください。

車検に通せるように、オーバーフェンダーの保安基準を守りましょう。