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車検証の電子化が2023年1月からスタート!

2023.02.21

2023年1月より自動車検査証(車検証)が電子化され、必要最小限の記載事項を除き自動車検査証情報はICタグに記録されるようになりました。今後、車検に関する情報を閲覧したい場合は、カードリーダーやスマートフォンなどでICタグを読み取る必要があります。

本記事では車検証電子化の目的や背景、さらには電子化によって変わること、アプリでできることをご紹介します。

車検証の電子化とは

車検証の電子化により、車検証情報はICタグに保存されるようになりました。電子化の内容と背景について詳しく見ていきましょう。

車検証が従来の紙ではなくICタグ付きに変わること

車検証の電子化とは、車検証がICタグの付いた厚紙に変更されることです。

これまで紙の車検証に記載されていた車や車検に関する全ての情報はICタグに記録され、一部の情報のみが車検証券面に記載されます。券面に記載されていない情報はICカードリーダーや読み取り機能付きスマートフォンでICタグを読み取って閲覧することになります。

電子化への移行のための特別な申請は不要です。2023年1月1日以降に車検を受ける普通・小型車、小型二輪(250cc超)には全て電子車検証が発行されます。

軽自動車は2024年から

普通車の車検証の電子化は2023年1月からですが、軽自動車は1年間の猶予が設けられています。2024年まで、軽自動車の車検証は従来通り紙ベースです。

なお軽二輪(250cc以下)はもともと車検の必要がないため、電子化の対象外となっています。

車検証が電子化された背景

国は自動車ユーザーや自動車関係事業者のさらなる利便性向上のため、自動車登録手続きのデジタル化に力を入れています。

このような行政手続きのオンライン化については、2016(平成28)年12月に制定された「官民データ活用推進基本法(平成28年法律第103号)」で義務化されました。(※)

政府は行政のあり方そのものをデジタル化する「デジタル・ガバメント」の実現を目指し、これまで対面で行われていたさまざまな手続きを電子化・オンライン化する動きを加速しています。

自動車保有関連についてはすでに「自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)」が導入されており「新車新規登録」「中古車新規登録」などはオンラインでの申請が可能です。(※)
継続検査(=車検)についても指定工場において、OSSによるオンライン申請が平成29年からスタートし、OSS活用整備工場が年々増えています。

ただし、OSSを活用した車検を行っても車検時に更新された車検証の交付を受けるためには運輸支局や軽自動車検査協会に出頭が必要な状況です。
今回の車検証電子化により、このような車検手続きでの運輸支局などへの出頭が不要となり、自動車ユーザーや整備事業者のさらなる利便性の向上に繋がります。

また、車検証が電子化されたことで、OSSもさらに普及していくのではと期待が高まっています。

電子車検証の取り扱いで注意すること

車検証がデジタル化されたことで、従来の車検証にはない下記のような注意点が出てきました。

● 高温な車中での保管に注意
● 折り曲げ注意
● ICタグを切り取ると無効
● アプリのダウンロードまたはカードリーダーが必要

車検証の重要な内容は、ICタグに記録されています。車検証を車内に保管する場合は、折り曲げや高温による破損に注意が必要ですので、夏場のダッシュボードの上に置きっぱなしにすることは避けましょう。さらにICタグを切り離した車検証は、法的効力がありませんので、ICタグをハサミで切り取ったりしないようにしましょう。

実際に車検証の内容を確認するには、国土交通省が配布するアプリを入れたスマートフォンやカードリーダーが必要となります。

どちらも持っていない方は、電子車検証の副本である「自動車検査証記録事項」(紙)で内容を確認できます。ただし発行は「制度開始から3年間」と定められています。3年後までには、ICタグを読み取れるデバイスを用意しましょう。

車検証の電子化により変わること

電子車検証は、紙ベースの車検証と比較してサイズや更新の手続き・記載内容が異なります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

車検証のサイズ

電子化により、車検証はA6サイズにICタグが付いた大きさ(縦105mm×横177.8mm)となります。一般的な文庫本より少し長いくらいのサイズです。(※)

従来のA4サイズよりもコンパクトになった分、携行しやすくなりました。

車検時の車検証更新手続き

車検証の電子化により、指定整備事業者は自社で電子車検証ICタグ内の車検満了日の更新と検査標章(車検シール)を発行できるようになります。(記録等事務代行業者の場合)これまでのように運輸支局などに車検証更新手続きのため足を運ぶ必要がなく、業者と顧客のどちらにも負担が少なくなります。

ただし、陸運支局などへの出頭が不要なのは、「ICタグの記録情報の書き換えのみの継続検査」「変更記録手続」のみです。

車検証で確認できる情報

車検証に記載される情報のうち、個人情報に関するものはICタグに格納されます。具体的には、以下の6項目です。

● 自動車検査証の有効期間
● 所有者の氏名・住所
● 帳票タイプ
● 使用者の住所
● 使用の本拠の位置

内容を見たい場合は、アプリやカードリーダーを使用しなければなりません。一方、自動車登録番号/車両番号や車台番号、交付年月日などは、従来通り車検証券面に記載されます。(※)

車検の手数料額

電子車検証に移行することで、以下の通り各種手数料がアップします。(※)

新規検査(完成検査終了証の提出)

 

納付先・金額(2022年12月31日まで)

納付先・金額(2023年1月1日から)

普通・
小型自動車

1,600円(運輸支局1,200円+機構400円)

OSS:1,400円(運輸支局1,000円+機構400円)

1,900円(運輸支局1,500円+機構400円)

OSS:1,700円(運輸支局1,300円+機構400円)

軽自動車

1,500円(軽自動車検査協会1,100円+機構400円)

1,900円(軽自動車検査協会1,500円+機構400円)

OSS:1,700円(軽自動車検査協会1,300円+機構400円)

継続検査(持込検査)=認証工場・ユーザー車検

 

納付先・金額(2022年12月31日まで)

納付先・金額(2023年1月1日から)

普通自動車

2,200円(運輸支局400円+機構1,800円)

2,300円(運輸支局500円+機構1,800円)

小型自動車

2,100円(運輸支局400円+機構1,700円)

2,200円(運輸支局500円+機構1,700円)

軽自動車

1,800円(軽自動車検査協会1,400円+機構400円)

2,200円(軽自動車検査協会1,800円+機構400円)

継続検査(保安基準適合証の提出)=指定工場

 

納付先・金額(2022年12月31日まで)

納付先・金額(2023年1月1日から)

普通・
小型自動車

1,600円(運輸支局1,200円+機構400円)

OSS:1,400円(運輸支局1,000円+機構400円)

1,800円(運輸支局1,400円+機構400円)

OSS:1,600円(運輸支局1,200円+機構400円)

軽自動車

1,500円(軽自動車検査協会1,100円+機構400円)

 

1,800円(軽自動車検査協会1,400円+機構400円)

OSS:1,600円(軽自動車検査協会1,200円+機構400円)

普通自動車よりも軽自動車の方が手数料の上昇幅が大きいため、車検を受ける前にきちんと金額を確認しておくことをおすすめします。

電子車検証に必要な「車検証閲覧アプリ」とは

電子車検証の内容を確認・提示するためには車検証閲覧アプリが必要です。アプリの詳細を紹介します。

車検証の情報を読み取るためのアプリ

車検証閲覧アプリは、国土交通省が提供するアプリです。2023年1月より提供され、24時間365日利用できます。(※)

利用できるのは「車検証原本を所持する者または提示を受けられる者」のみ。第三者が勝手に見ることはできません。なお通信環境の悪い場所では「オフラインモード」の使用が可能です。

アプリで車検証を閲覧する方法

スマートフォンで車検証を閲覧したい場合は、以下の手順で行います。

1. スマートフォンに車検証閲覧アプリをインストールする
2. 車検証券面下部に記載されているセキュリティコードを入力する
3. ICタグを読み取る
4. 車検証の情報を閲覧する

なおパソコンでカードリーダーを使って閲覧する場合は、Microsoftアプリストアからインストールが必要です。Microsoftアカウントが必要となるため、事前に作っておきましょう。
詳細は国土交通省電子車検証特設サイトでご確認ください。

車検証閲覧アプリで利用できるサービス

車検証閲覧アプリでは、車検証の内容を見るだけではなく記載内容をPDF形式で出力したり、リコール情報を表示することが可能です。

また「車検証有効期間お知らせサービス」を利用すれば、車検有効期間満了の60日前、30日前、1日後の最大3度、スマートフォンにプッシュ通知でお知らせを表示することもできます。

車検証の電子化に備えよう

車検証の電子化により、「車検証更新手続きの簡略化」「車検証が携行しやすいサイズになる」「アプリで車検証情報を確認できる」などの様々なメリットがあります。2023年1月1日以降の車検証は全て電子化されるため、車検が近い方はアプリを入れておくなどして電子車検証への準備を行いましょう。