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車検の際にスペアタイヤは必要なのか? なくても大丈夫?

2022.10.19

タイヤは車検上の重要検査項目の一つですが、スペアタイヤはなくても問題ありません。ただし、背面スペアタイヤタイプのRV車やSUV車など、一部例外もあるため注意しましょう。

本記事では、車検でのスペアタイヤの扱いやスペアタイヤの種類、タイヤの点検項目を解説します。

車検時にスペアタイヤの搭載は必要ない

現在、一部の車種を除き車検時にスペアタイヤは搭載していなくても問題ありません。実際に新車時からスペアタイヤを搭載していない車も多くあります。以下の理由からスペアタイヤの搭載が不要になったものと考えられています。

●道路状況の大幅な改善により、タイヤのパンクが減ったため
●タイヤ自体の性能向上により、パンクしにくくなったため
●車の軽量化、コスト削減のため(新車時にスペアタイヤが搭載されていない場合、パンク修理キットが装備されている場合が多い)

なお、背面にスペアタイヤが外付けされたオフロード車などは例外的に車検時に搭載が必要です。

【例外】スペアタイヤが外付けされている車

オフロード車のように、背面にスペアタイヤが外付けされている車種では、外してしまうと車検に通らない恐れがあります。車検の際は車検証に明記されているサイズを基準とするので、スペアタイヤを外すと全長に差がでてしまいます。そのため、購入時からスペアタイヤが外付けされている車は、そのまま車検を受けた方が良いでしょう。

なお、今後スペアタイヤを搭載する予定がないなら、管轄の運輸支局に構造変更の申請をすると全長などの登録内容を変更できます。

スペアタイヤを装着したままだと車検に通らない

なお、スペアタイヤの中でもテンパータイヤを装着したまま車検に出すと通らない点にも注意しましょう。テンパータイヤは緊急対応を目的とした作りで、タイヤサイズが小さく、高速道路の走行にも適していません。そのため、ノーマルタイヤに交換せずに車検に出してしまうと、保安基準を満たせないと判断されてしまいます。

車検を受ける前にノーマルタイヤに付け替えましょう。

スペアタイヤには2つの種類がある

スペアタイヤといっても、標準サイズのものと、緊急対応用の小型のものの2種類があります。それぞれの違いを紹介します。

標準サイズのノーマルタイヤ

ノーマルタイヤとは、車に標準装備されているサイズと同じタイヤのことです。オフロード車に外付けされているものや、通常使うタイヤをトランクに入れているときなどが該当します。この場合、スペアタイヤへの交換により車体が傾くこともないため、交換後はそのまま走行して問題ありません。ただし、スペアタイヤも空気圧などに異常がないか適宜点検しましょう。

なお、車両総重量8トン以上のトラックや、乗車定員30名以上のバスでは3カ月毎の定期点検時にスペアタイヤの点検も義務づけられています。(※)

(※)国土交通省:大型トラック・大型バスのスペアタイヤの点検が義務化されます ~事故防止のため、確実な点検・整備をお願いします~

応急用のテンパータイヤ

テンパータイヤとは、応急用タイヤやテンポラリータイヤとも呼ばれる予備用のタイヤです。小型で軽量のため、スペアとして積んでいても場所を取りません。昔はホイール部分が黄色のものが多かったものの、現在では黒ホイールに黄色のラインの入ったものが主流です。

テンパータイヤはあくまで緊急時の利用のため、時速80キロ以下の走行にすること、走行距離は最小限に留めることなど、利用時の注意点がいくつかあります。また、タイヤサイズが小さいことから、ノーマルタイヤ装着時と比べ、片方の車体が低くなってしまいます。

以上のことから日常的な走行には適さないので、利用後は速やかに交換しなくてはいけません。なお、ノーマルタイヤ以上に高い空気圧が必要なため定期的に検査しましょう。

タイヤの状態は車検に影響するため注意が必要

車検にスペアタイヤは不要なものの、タイヤそのものの状態確認は検査項目に含まれます。一般的に以下の状態のタイヤのままでは車検に通りづらくなってしまいます。

●タイヤが摩耗し溝が基準以下になっている
●ゴムが劣化しひび割れている
●標準サイズから大きく外れたタイヤを装備している

タイヤは走行上の安全を決定する重要な要素です。そのため、検査時も重要点検部品の一つに含まれます。車検の前には問題がないか念入りに確認しましょう。

車検にスペアタイヤは必要なし! ただし点検は忘れずに行おう

トラックなどを除き、普通車はスペアタイヤがなくても車検を受ける上で問題はありません。ただしスペアタイヤを搭載している車では、いざというとき利用できるよう定期的に空気圧など状態の確認を行ってください。

なお、車検上スペアタイヤは不要とはいえ、タイヤ自体は重要検査項目の一つです。車検を受ける前に溝の摩耗やゴムの劣化などがないか確認し、準備してから車検に出しましょう。