車検後に故障? 整備保証の対象になるのか?
車検とは、車が保安基準を満たしているか点検・検査することです。点検が目的であり修理を行うものではないため、車検後に車が故障したり不具合が見つかったりする場合があります。車検後の故障に整備保証が適用されるかどうかは、ケースによって異なるため注意が必要です。
本記事では車検後に故障した場合の対処法や、整備保証の対象になるのかどうかについて解説します。
車検後に故障したら整備保証付きか確認する
車検後に車が故障したら、車検を受けたお店が整備保証を行っているかどうかを確認します。ディーラーや整備工場に車検を依頼すると整備保証付きの場合が多いですが、格安車検などでは整備保証がないこともあります。整備保証がなければ自己負担で修理を行いましょう。
車検後の整備保証がある場合のチェックポイント
車検後の整備保証がある場合は、以下を確認します。
整備保証の適用対象か
車検後の整備保証は、次の2つが満たされた場合に適用されます。
● 保証期間内であること
● 走行距離が規定の範囲内であること
例えば保証期間が半年かつ走行距離が1万キロの場合、車検から半年が経過する前に走行距離が1万キロに達すれば保証の対象外です。反対に、走行距離が1万キロ未満でも車検から半年が経過すれば、整備保証は受けられなくなります。
整備保証の対象期間や走行距離は、車検を依頼する業者によって異なります。
点検・整備をした箇所か
整備記録簿とは、法定点検や整備をした箇所を記録するものです。もし整備記録簿に記載された箇所が故障した場合、点検・整備の不具合が原因の可能性があります。
例えば、車検後すぐにハザードランプがつかなくなったと仮定します。もし整備記録簿にハザードランプの部品を交換した記録があれば、取り付けが悪かったり交換部品が不良品だったりすることが原因で故障した可能性が高くなります。このような場合は車検を依頼した業者にまず相談し、整備保証の対象になるか確認しましょう。
ただし、点検・整備した箇所でも車検後の車の扱いが原因で不具合が起きた場合は、整備保証の対象になりません。また、車検時にディーラーや業者から整備を勧められたにも関わらず、ご自身の意志で必要な処置をしなかった場合も整備保証の対象外になります。
車検後の故障を想定して車検業者を選ぶ
車検後に故障や不具合が起きたときを想定し、車検業者を選ぶことが大切です。以下、車検業者を選ぶ際に意識するべきポイントを解説します。
車検後の整備保証があるか
万が一のときに備えて、車検後の整備保証がある車検業者を選びましょう。中には整備保証がない業者も存在します。特に、格安で車検を行う業者は整備保証がない場合があるので、ホームページなどで確認するか事前に業者に問い合わせをして確認しましょう。
整備保証内容が具体的に記載されているか
整備保証がある場合は、車検を依頼する前に保証内容や規約を確認してください。業者によっては「当社が整備不良を認めた場合のみ整備保証を適用する」と定めているところもあります。つまり、業者の整備ミスが原因で車検後に故障や不具合が起きても、業者が認めなければ整備保証を受けられないのです。
そのため車検後の整備保証をうたっていても、適用条件があいまいな業者は避けてください。もし、保証内容や規約を見ても整備保証の範囲が分からない場合は、あらかじめ業者に確認しておきましょう。
車検時に整備もしっかり行ってもらえるか
故障や不具合が起きる可能性を抑えるには、車検時に点検だけでなく整備もしっかり行ってもらえる業者を選ぶことが大切です。車検業者によって車検時の整備内容には差があります。車検を通すことだけを目的とする業者の場合、保守基準をギリギリでも満たしていれば整備を行いません。手間がかからない分料金は安いですが、車検後に故障や不具合が起こる可能性が高くなります。
車検時に点検だけでなく整備もしっかり行ってもらえる業者であれば、故障や不具合が出ないよう一緒にメンテナンスを行います。整備したり部品を交換したりするため、格安車検より費用がかかりますが、後から故障・不具合は起きにくくなるのです。突然の故障に困ったり、修理費用を支払ったりするリスクを考えると、多少割高でも車検時に点検だけでなく整備もしっかり行ってもらえる業者を選ぶのが良いでしょう。
さらに、整備が必要な場合には事前にその整備の必要性や部品の役割、整備実施した場合のメリット、費用などを分かりやすく説明してもらえる業者を選べば、車検費用や内容にも納得でき、車検後に安心してお車に乗ることが出来るでしょう。
車検業者を選ぶなら整備保証についても確認しよう
車検後の車が故障したら、まずは整備保証がついているかを確認してください。整備保証付きの場合は、整備保証の適用対象になるか確認します。適用対象は保証期間や走行距離に応じて決まる場合がほとんどですが、具体的な内容は車検業者によって異なるため、整備保証の内容を確認してみてください。
また、整備記録簿の内容も見てみましょう。車検時に点検・整備した箇所が故障したのなら、整備保証対象になる可能性があります。具体的な適用対象が分からない場合は、車検業者に直接確認することが大切です。
なお、車検後の故障のリスクを抑えるためにも、車検業者は慎重に選びましょう。車検後の整備保証がついていることはもちろん、保証内容がはっきりと明示されているか、車検時に整備もしっかり行っているか、事前の説明があるかなどもチェックしておくと、トラブルを防ぎやすくなります。