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車のウォッシャー液が出ないと車検は通らない? 原因と対処法を詳しく解説

2024.12.12

車のウォッシャー液が出ない原因によっては、車検に通らない恐れがあるため注意しましょう。車検では、フロントガラスの視界がクリアに保たれ、安全に走行する機能があるかどうかを確認します。このため、ウォッシャータンクの故障などが理由でウォッシャー液が出ないのであれば、安全な走行に支障を来たすため、車検に通りません。

本記事では、ウォッシャー液が出ないと車検に通らない理由に加え、出ない原因と対処法、使うときの注意点を紹介します。

車のウォッシャー液が出ないと車検に通らない可能性あり!

車検では、ワイパーとウインドーウォッシャーが検査項目にあります。
検査の目的は、フロントガラスの視界を良好に保ち、安全に走行するための機能が備わっているかを確認することにあります。

車のウォッシャー液が出ないと、フロントガラスが汚れている時、ワイパーをいくら動かしてもフロントガラスはきれいになりません。このため、ウインドーウォッシャーなどの故障が原因で液が出ないなら、車検には通らないため注意しましょう。ただ、液が切れて出ないだけであれば車検時に補充してもらえることが多いものの、車検前には確認しておきたい項目です。ウォッシャー液が出ない場合の適切な対処法を知っておくと同時に、フロントガラスの快適な視界を確保するためにもボンネットを開けてメンテナンスすることをおすすめします。

なお、車検ではリアのワイパーやウインドーウォッシャーは検査の対象外ですが、後方視界の確保のためにもリア側もフロント同様にメンテナンスしておくようにしましょう。

ウォッシャー液が出ない原因と対策

ウォッシャー液を補充しても出ない場合、ウォッシャーホースなどの不具合や中のモーターや配線系統の故障が原因として考えられます。

ウォッシャー液が切れている

ウォッシャー液が出ない単純な原因として、液切れや残量の不足があります。ウォッシャータンクは車のボンネットを開けて左側にあることが多いため、そこにウォッシャーマークの描かれたふたがないか確認してください。

ふたを開けて、その中にウォッシャー液を補充します。補充後はウォッシャー液が噴出されるか確認しましょう。

ウォッシャータンクの故障

ウォッシャー液をためておくウォッシャータンクに不具合があると、ウォッシャー液が漏れ出て、ウォッシャー液が出なくなることがあります。

ウォッシャータンクは高密度ポリエチレンでできており、熱や紫外線などで劣化します。明確な製品寿命は定かではないものの、使用環境によっては経年劣化する可能性があるでしょう。

ウォッシャータンクが壊れたときは自分で交換するか、専門店に修理を依頼しましょう。

ウォッシャーホースの不具合

ウォッシャーホースは、ウォッシャータンクからノズルまでのウォッシャー液が通る管です。ウォッシャーホースが抜けていたり、亀裂が入っていたりすると、ウォッシャー液が出ない原因になります。

ウォッシャーホースは自分でも交換したり、付け直したりできるものの、自信がないときは専門店に依頼しましょう。

ウォッシャーノズルの詰まり

ウォッシャーノズルは、ウォッシャー液を噴出する部品です。ノズル部分に小さな穴が開いており、穴が詰まるとウォッシャー液が出なくなります。

軽度であればノズルの穴部分をマチ針などで刺したり、お湯に漬けてから洗ったりすると詰まりが解消します。解消法を試しても解決しないときは、新しい物と交換しましょう。

ウォッシャー液の凍結

冬場の気温が-10度を下回る地域では、ウォッシャー液が凍結して出なくなることがあります。ウォッシャー液の原液の凍結温度はおおよそ-35度です。ただし希釈すると凍結温度が上がり、2倍希釈であれば-15度程度でも凍結する恐れがあります。

凍結したときはエンジンをかけて、車が温まるまで待ちましょう。また冬場はウォッシャー液の原液を使う、寒冷地仕様の物に変更するなども有効です。

モーター系統の不具合

ウォッシャー液を送り出すためのモーターやポンプなど、内部が故障しているときもウォッシャー液は出てきません。ウォッシャーを作動させても動作音がしないなら、モーター系統の故障の可能性が高くなります。

内部故障の場合、自分では対処せずプロに修理を依頼しましょう。

配線系統の不具合

ウォッシャーポンプを作動させる配線系統に不具合が生じても、ウォッシャー液が出ないことがあります。この場合は、ヒューズボックスを確認しヒューズが切れていないか確認しましょう。

ヒューズは異常電流から機器を守る役割があり、切れているなら配線系統にトラブルがあると分かります。ヒューズボックスは、エンジンルームや運転席の下にあることが多いものの、車種により異なります。

配線系統の修理も専門的な知識が必要なため、プロに依頼しましょう。

ウォッシャー液の選び方

ウォッシャー液には原液のまま使える物と、水で希釈する物があります。手軽さを重視するなら原液タイプ、コストを重視するなら希釈タイプが良いでしょう。

選択するタイプは、基本的に洗浄力のみのノーマルタイプで問題はありません。以下のような用途に応じて選ぶのもおすすめです。

タイプ

特徴

油膜除去タイプ

フロントガラスの油膜が気になるときに適しています。

撥水タイプ

水を弾くため、雨の多い時季に適しています。

解氷タイプ

フロントガラスの霜や氷を素早く溶かします。凍結温度も低く、寒冷地に適しています。

虫汚れ取りタイプ

虫汚れや鳥のふんなどを除去できるタイプです。夜間に高速道路を走行することが多い人や、アウトドアに出かける人に適しています。

ウォッシャー液の注意点

車のウォッシャー液は他の性質の物と混ぜて使ってはいけません。また水道水は代替品になるものの、長い間タンクに入れておくと水が腐ってしまうなどトラブルもあります。食器用洗剤は泡切れが悪いので代わりには使えません。

性質の違うウォッシャー液同士を混ぜない

油膜除去タイプと撥水タイプなど、性質の異なる物同士は混ぜないようにしましょう。異なる物を混ぜて使うと、互いに性質を打ち消しあったり、成分が変化したりすることがあるためです。

異なる性質のウォッシャー液を購入したときは、タンクに残っている液を使い切ってから補充しましょう。

水道水は代わりになるがトラブルも多い

水道水はウォッシャー液の代わりにはなるものの、使用は推奨されていません。長期間タンクの中に入れておくと、水道水が腐ってカビやコケが生えるためです。ノズルが詰まる原因にもなるため、緊急時以外はおすすめできません。

また、寒冷地では凍結もしやすくなります。

食器用洗剤は使ってはいけない

食器用洗剤はウォッシャー液の代わりにはなりません。油汚れなどは落ちるものの、泡切れが悪いためワイパーの動作により、かえってフロントガラスが見えづらくなり危険なためです。なお原液ではなく薄めて使うという方法もあるものの、希釈割合によっては泡立ってしまいます。やはりウォッシャー液を使った方が良いでしょう。

車検を受ける前にウォッシャー液を確認しよう

単純にウォッシャー液の残量が少ないために出ないのであれば、車検時に補充してもらえることが多いでしょう。しかしノズルの詰まりやモーター・配線系統の故障など、トラブルにより出ないときは車検には通りません。そのためウォッシャー液は日頃から残量を確かめ、ウォッシャータンクなどの周辺部品にトラブルがないか作動も確認しておきましょう。

なお、ウォッシャー液の代替品として、水道水や薄めた食器用洗剤を使うとトラブルの原因となるため、ウォッシャー液を使うようにしましょう。